2022年下半期 1票得票作品
【VR】ダサくて根暗な従順年上女(むっつりスケベ)に僕好みのエロい格好させたらムラムラMAX!【超肉感特化コミュ障美女】僕だけの肉オナホだから本命彼女には出来ない身勝手な行為を繰り返した。 鈴木さとみ
メーカー肉きゅんパラダイスVR
出演鈴木さとみ
得票数1
投票者レビュー
「ごめんなさい」と行為中に意味なく口走る、意味なく言わせる「ごめんなさい淫語」がデフォルトで楽しめる唯一のメーカーが肉きゅんパラダイスである。
ごめんなさい淫語の魅力は、言う側にとっては理不尽に屈従する圧倒的弱者感/被虐感、自分のかわいそうさに酔えるところであり、言わせる側にとっては圧倒的全能感にある。関係の歪んだ高低差こそ快感の源泉なのだ。
だめじゃないのに、だめなわけないのに「だめえ」と言うのが言わせるのが楽しいし、「許してえ」って言うのはもっと楽しいし、わけもなく「ごめんなさいぃ」まで言わせないとおさまらない。
私は言うのも言わせるのも大好きで、だからセックス中にうるさいと怒られたことがあるわけですが、実際、淫語の相性というのは性器の相性と同じくものすごく重要です。淫語が合う相手を見つけるのはなかなか難しい。AVですらなかなか見つけられない。
今期見た肉きゅんパラダイスの作品はどれも良かった。
抜群のルックスと格闘家という垂涎の特性を持つ三岳ゆうなはウィッグがどうも目立って残念だったが、カサノバ以外のVR出演は待望だった。
正常位のときの表情はブラをとったときのおっぱいの形同様にいつも気になるところ。戸田美々香の正常位時の美しさは特筆もの。
大原理央は人生五本の指に入る理想的ルックスの持ち主だった。ちょっとパク・ソダムに似ている一方で愛嬌のかたまりである。パケ写などではかなりマニアックな体形に見えるが動画で見るときわめてほどよい。ただしかなりナチュラルにあえぐのでAV女優のソフィスティケイティッドな反応に慣れた身にはけっこう違和感あるのは玉にキズ。
そして今作の鈴木さとみ。
引退していたかと思ったのでこのリリースはおどろきだったが、「ごめんなさい」の回数とタイミング、さらにアドリブなのか指示なのか「もう許して」まで絶妙に交えて、肉きゅんのやりたいだろう関係の歪んだ高低差をいちばん体現していたんじゃないかと思う。
特有の居心地悪そうな笑顔が効いている。
よくVRで女優がカメラに向かって手を伸ばし、主人公の顔を撫でるというフリがあるが、これが苦手で助けてもうやめてってこれは喜んでるわけでじゃなくてほんとにイヤだったんですが、今作で初めてゾクゾクした。もう耳に感じました、鈴木さとみのやわらかい手を。しかも男優も鈴木さとみの顔に手を伸ばすので、二人で慈しみあってる感まである。こんなファントムセンスは初体験でした。
肉きゅんは作り手がやりたいことしかやらない、マーケティングなんてしない感がいさぎよいわけですが、今作ではおなじみのルーズソックスにくわえて猫耳までつけているけど気にならない。いつも正常位のカメラ位置が低いのが残念だったが、今作はかなり高い(つまり自然な、おそらく主人公の頭があるであろう位置)のでそれも良かった。
このメーカーの特異性は作品紹介文を見ればよくわかる。陰惨で身勝手でどん底。ドブの中で這いずり回っている二人が激しく求め合って咲かせる妖しい花のようなセックスばかり。マンガで言えば、手塚治虫の「奇子」であったり、比古地朔弥の「神様ゆるして」であったり、安達哲の「幸せのひこうき雲」のような胸がむかむかする世界でしたたるねとねとした蜜を互いの傷口にすりこんでいる。傷が癒えるはずもなくただいっとき忘れるだけなのでまたすりこむ繰り返し。
この頃、VR AVのセカイ系化が気になっていて、というかもともとVRの主観なのでセカイ系的にならざるを得ないわけですが、なのに多くの作品では何か抜け落ち中途半端な気がしていた。もっと正直に言うと、どんどん肥大していく自意識と欲望の満たされなさにイライラしながらVR AVを見ていた。
セカイ系には「なぜ自分なのか」という問題がつよくかかわる。本来(非セカイ系、つまり現実では)その問題に対する回答を世界は与えてくれない。だから自分である理由をつくっていかなきゃいけないし、それが生きていくことですよね、きっと。
でもセカイ系の多くはこの世界はあなたが中心です、という前提でコトが運ぶ。なぜ自分なのか、その問いは暖簾に腕押し、虚空へ消えるよう仕組まれる。
肉きゅんパラダイスのVRは徹底的に閉じたセカイの中心で繰り広げられる。私は今にも崩壊しそうなこの王国の愚かで横暴な王としてふるまう。従順にかしづく笑顔の女たち。セカイが終わるまでセックスしかすることがない。
今作もまた牢獄のようなセカイ、文字通り檻の中でむつみあう。
セカイ系の監獄の中で、ごめんなさいと何度も口走る鈴木さとみはあなたが主人公だと、あなたが私の世界の中心だと露ほども疑わせない。肉きゅんの女たちが孕みたがるのは彼女たちにとってそれが救いだからだと今作を見て初めてわかった。
うるはしき傀儡なれど
みにくかる生存なれど
わが右手の脈搏を相應く亂調せしめ
わが小むねの赤き血汐を溷濁せしめ
わが青春の光ある肌膚を窘蹙せしめ
つひにわが肉體より
力と美とを驅り落し
すべて
まことわが心を壓死せしむ
うるはしき傀儡なれど
(日夏耿之介)
ぱちべえ