2024年 1票得票作品
【VR】出張先のスナックで出会ったママが乳首ビンビン巨乳で誘惑してきたのでお店で!さらに自宅で!ほろ酔いぶっ飛び2SEX VR 8Kだからママの性格の良さとエロさが丸わかり!地方のスナックに来てよかった神体験!!
メーカーレゾレボVR
監督ジーニアス膝
出演二宮もも
得票数1
投票者レビュー
高校生の頃、アルバイトしてお金を貯め、鈍行列車を青春18切符で乗り継いで、乗鞍高原へスキーに行った。
松本電鉄に乗り換える待ち時間、松本駅コンコースの売店で店のおばさんに声をかけられた。「どこから来たの?」「スキー? 友達と?」と二言三言言葉をかわして少しの沈黙ののち、おばさんは思いきったように「ちょっと、抱いてもいい?」と切り出した。私があまりにかわいいので、どうしても抱っこしたいのだと言う。返事を聞く前に彼女はするすると近づきとまどう私を抱きしめた。
おそらく彼女にとっても大胆すぎる行為だったのか、ぐいぐいきたわりに抱擁はごく短く、体を離したおばさんは恥ずかしそうに売り物の長野名産りんごチップス1袋をお礼だと寄越したのだった。
こういう物語がAVをAVたらしめているのではないだろうか。
学校になじめず田舎の親戚に預けられ親戚のおばさんとだったり、10年ぶりに会った初恋の彼女がヤリマンになっていたり、妹に勉強教えてあげるかわりに姉がエッチを教えてくれたり、教え子、レイヤー、乳タイツ、ただセックスを見せるのではなく、エッチが生じるだろう設定を多くのAVは持つ。
しかし、この設定が正しく機能することはまれだ。導入部分がせいぜいで効果的に使われる作品はほぼない。効果的に使おうとするあまり、セックスの途中に何度も「社長、もう秘密をうちあけてもいいんじゃない?」と女企業スパイに言われるとむしろ醒める(KMP作品)から、設定に忠実であるのが足かせになるのもまたAVだ。
ジーニアス膝監督は、またしてもこの足かせをむしろ傑作を生み出す「ゆりかご」にした(『【新感覚ドラマVR!】ボクにとって動画ってやつは結局夢と同じで、ぬくもりも無ければ香りもしないが、そこでしか存在しない君を想う不適当な温度感 麻里梨夏』レビュー参照のこと)。
スナックのママといきずりのセックス、そして翌朝を描くこの作品にとてつもないエモさ、同じような設定のVR AV作品群には無かったエモさが発生するのは、セックスと物語が一体となって立ち現れるからだ。
このエモさはミュージカルのエモさと似ている。ミュージカルとは(全部歌のタイプもあるが)通常の芝居のさなかに突如歌がはじまるのが醍醐味だ。見慣れなければ奇異にうつるが、芝居の中で醸成され、凡庸なセリフでは表現しきれない感情が歌となってほとばしる瞬間がミュージカルのエモさだ。2020年大みそかのTV番組『絶対に笑ってはいけない』で神田沙也加と井上芳雄というミュージカルの大スターが登場したのを「笑ってはいけな」かったのは、素養のない人にはこれが異物でしかないからだろう。
セックス中、二宮ももが思わず知らず口走るセリフのエモさ。『レ・ミゼラブル』のファンティーヌが「夢をみていたわ〜」と歌い出したときのような強烈なエモさと同質だと私は言い切る。セックス中のセリフとはともすれば異物であり、芝居の中の歌のようなものだ。それが異物ではなくエモくなるのは繰り返すが、セックスと物語が一体となっていることによる。そして幸いなことに我々にはVR AVの素養がりんごチップスをいきずりの高校生にあげるほどある。
りんごチップスのおばさんのように、昂ぶったあまりにふだんとしないことをしてしまう瞬間、情動に突き動かされてしまった稀有な瞬間に立ち会えるのだ。
ぱちべえ