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ポポロさんが選んだ「すごいエロVR」 2020年上半期

ポポロさんが選んだ「すごいエロVR」 2020年上半期

ポポロさん

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かつて一度だけバズった

推薦作品 1
ジャケット画像後世に語り継がれた佐倉絆というAV女優~童貞偉人を神テクで筆下ろし~

圧倒的にすごい。

“後世に語り継がれた佐倉絆というAV女優”のタイトルは、作中と現実での佐倉絆の存在を指すダブルミーニングになっているが、この大女優最後のVR作品として、彼女の全てを惜しみなく味わうことができた。

全て、というのは全ての魅力だ。

女性らしさ、かわいさ、栃木の限界と称されたイマイチさ。透き通るように白くて綺麗な肢体。ロリ系もできるかわいさなのに、きれいに年齢の重ねた人が持つ成熟さも持っている。しゃべらなければ(かわいい)といわれるガハハさ、ベテラン女優らしい姐御感。存在感からは想像もつかないような華奢さ。

その全てを一つの作品で表現しようとすればまとまるはずもなく、そういった試みはこれまで殆どなかったのではないかと思うのだけど、引退を前にしたこの作品にはそれが全て込められていた。
(私は佐倉絆の歌唱も大好きなのだが、それは未収録だった)

脚本が素晴らしい。インタビューシーンでの素の佐倉絆、作品世界を宙から眺めるガハハ系佐倉絆、AVパートに入ってからのきずぽん!の三様、全てに会える。

女優と”わたし”の役割が固定されがちなエロVRでは、女優の役柄が変化するものは撮りにくいのだと思うが、”わたし”の役割も合わせて変化することで、それを自然にしている。複雑な設定ではないが、AVとくにエロVRは普通ここまでは求められていないよね、というレベルで作り込まれている。
AVらしい虚構からエロVRの仮想現実に視聴者を連れて行く仕掛けが見事だ。インタビューシーンからこのドラマに参加している佐倉絆の上手さも圧倒的で、自分がいつからこの虚構に捕捉されていたのかわからないほどだった。

二時間の長い作品時間を十分に使った、丁寧で焦りのない段階を踏んだエロシーンには夢中になった。ひとつひとつのプレイの余韻を味わえるペースがいい。視聴する心のペースと展開のペースが一致して、焦れることも焦らされることもなかった。この作品があれば風俗はいらないなと思えるほど充実していた。

わたしはそういう見方をしないのでよくわからないが、覆いかぶさり正常位や、天井特化騎乗位といった技法も取り入れられているようだ。ストレスなく夢中になれたのは、そういった技法の助けによるものも大きいのだろう。
エロVRでずっと不満に思ってきたクンニの視野もよかった。エロVRメーカーのトップランナーと言われるKMPの制作によるテクニカルな完成度の高さも見どころだ。

二時間の長い作品時間を十分に使った、と書いた。

たしかに作品時間は長く、堪能した。だが一方では限られた時間だということも感じた。ネタバレすれば本作は夢のなかの話だ。夢は必ずいつか醒める。その時間は過ぎ去ってしまう。それは佐倉絆の存在も同じだ。

佐倉絆は一年前から2020年3月末での引退を公表していた。VRはこれが最終作だ。いなくなってしまう。これ以降新しいものを見ることはできない。本作の佐倉絆と、AV女優の佐倉絆と、別れを前提として知りながらの視聴に、寂しさと愛おしさが抑えられなかった。

そして佐倉絆もその気持に応えるように、夢が終わることを知っているように、出し惜しみなんてないというように、それでも戻らない、限られた時間を惜しむように、全て出してくれた。それが一番すごかった。

長いセックスは正常位で終わる。
正常位で見下ろした、上気して汗をかいた佐倉絆は、いつもの透き通るほど色白で端正な顔をした佐倉絆とは別人のようで、そしていままでに見たことがないほどかわいくて綺麗でした。

メッセージ

6回目の開催おめでとうございます。
集計係のぱちべえさんお疲れさまでした。

私はこれまでほとんど枢木あおいさんのものしかみてこなかったのですが、このサイトの”枢木あおいという奇跡、VR編”の記事で他の女優はどうだろうなんてことを書いたら、気になるようになってしまい、他の女優さんの作品をみる機会が増えました。

そして、佐倉絆さんの作品のすごさに圧倒され、今回これ一本の投票となりました。

全体では枢木あおいさん出演のものも含め、初期以降ではもっともエロVRの進化を感じたピリオドでした。今期で形になりつつあるその進化が、「すごい」にまで昇華されるまであともう少しだと思います。次期以降のエロVRが楽しみです。

進化を感じたのはとくに次の二作です。

最高の愛人といいなり温泉不倫旅行 ねね(田中ねね/SODVR)

オープニングは後ろから彼女を抱えて、見えるのは頭頂部という視野でした。
顔を中心とした女優さんや女の子そのもの(ヒト)ではなく、セックス自体(コト)を主体にしているようで、これはいいなと思いました。VRで体験するべきはヒトではなくてコトだというのは重要な指摘でしょう

神待ち家出少女を連れ込みオフパコセックス!敏感マ○コを正常位・騎乗位・バック・種付けプレスで痙攣絶頂イキするおマ○コに連続中出ししちゃいました!!(枢木あおい/こあらVR)

ハメ撮りVRに確実な進化を感じました。
初期のハメ撮りVRにあった、男性が喋ること、動くことに対する不快感がなくなり、十分に楽しめました。
「すごい」まであともう少しだと思います。そこで達成される「すごい」は「ものすごい」である予感がします。

また上半期といえば、松本いちかさんのVRデビューが衝撃でした。

めちゃめちゃかわいくて好みで、VTRでは何度も見ていたのですが、VR画面でみた彼女には衝撃を受けました。このひとは自分とはまったく別の生き物だ。性別が違う、体格が異なる、かわいい、そういうことを超えた次元で異質だという衝撃です。

男性らしさ、女性らしさという言葉はジェンダーバイアスに触れるので使いにくいのですが、差別的な性格を除いてその存在を認めることは可能でしょう。

どんなひとも男性らしさ、女性らしさを持っていて、私にも男性らしい部分と女性らしい部分がある。
女優さんもそれぞれ配分は異なれど、男性らしい部分と女性らしい部分を持っている。

AVのファンは男性が多数ですが、人気のある女優さんには男性らしさが強いひとが多いような気がします。もしクラスが一緒だったら友人になれるかもしれないという共感を覚えるタイプのひとが多い。女優さんを好きになるときに、そのひとの女性らしさだけでなく、男性らしさに共感して好きになるという部分も大きいのではないでしょうか。
例えば枢木あおいの男性らしさ、といえば思い当たる部分は十分にあるし、私はそこが好きなんだと思います。

その意味で松本いちかは異質でした。男性らしさの成分が希薄で、女性らしさに全振りしているようにみえました(もちろん中の人は違うのかも知れません。あくまでもAV女優松本いちかのことです)。友人になれる感じが全くしない。自分の世界と決して交わらない世界にいるようです。

先ほどの仮説が正しいとすると、売れるAV作品、AV女優というのは女性らしさを売りにしながら、隠し味で男性らしさを見せているということになります。

そうであれば、松本いちかが映える作品の作り方というのはその方法論が当てはまらない。

今期発売されたVRもいくつかみました。めちゃめちゃかわいいし作品もいいんだけど、まだいける。松本いちかはこんなもんじゃないよ!と感じてしまいました。松本いちかに嵌めるワクはそれじゃないんだ。

松本いちかが最大限に活かされる作品が作れたら、それはとんでもなくものすごいことになるだろうなと期待しています。